恐ろしいほど他人をもてなす文化、アラブのことを大好きにならざるを得ない理由

2019年9月5日

先日Twitterに書いた、「ワタシの~ナマエは~ウマル様デース」という絶望的な日本語を話し、車の運転がマリオカートで、クラクションを楽器だと思っているウマル様との朝食は、ウマル様のご友人の事故により無くなりました。
相変わらす情報量が多いな。ハンニバル佐藤です。
昨日、AOU(アラブオープンユニバーシティ)という大学の日本語のクラスで仲良くなったパレスチナ人の方に招かれ、自宅にてパレスチナ料理をいただきました。本当に豪勢な料理たちで、「これ作るのに何時間かかったの?」との質問に対して「昨日から仕込みをしていて、3時間煮込んだものもあるよ~」なんていう素晴らしいい料理たちをいただきました。
パレスチナ料理、端的に言ってめちゃめちゃうまい。
アラブの料理だけどあまり油っこくなく、ハラームだけどこりゃお酒と合うだろうな~ってのが多い。
ほんと、最高なので日本でパレスチナ料理を見つけた際にはぜひ。
そして今日、またそのAOUで友達になったクウェート人と一緒にお茶をしに行ったんですけど、
「明日は3:00に集合ね~インシャアッラ~」
と約束したのですが集合したのが結局4時。
アラブ人は時間を守らないというのはなかなか知られていることですが、私の北海道の友達と同じくらい時間を守らないので本当にカルチャーショックです。
インシャアッラーとは、「もし神が望むなら」というアラビア語で、簡単に訳すと「神のみぞ知る」って感じなんですけど、もし遅れてしまったとしたらそれは神が望まなかったっから、というまあ使い勝手のいい言葉なんですねえ。
クウェートにおいて時間にルーズなのはその国民性だけでなく、交通渋滞がやばすぎるってのもあるんだと思うんですけど、日本に帰っても活用していきたいな、インシャーアッラー。私が単位を落としたのはそれが神が望んだことだからなので…

話を戻しましょう。

先に述べたクウェート人の女の人、おせっかいといっていいほどめちゃめちゃいい人なのですが、(なにせ連絡をとると常に長文で返信をしてくれて、その内容全てが私の助けになるものばかり)、一緒にお茶を飲んでいるときも、アラビア語のあらゆることを教えてくれて、「今日は私から誘ったから、ここは私が持つよ!」と言ってアフタヌーンティを支払い、「これがここの文化なんだよ~」など言いながら香水までプレゼントしてくれました。

最後は車で寮まで送ってくれて、その後「クウェートで1人では歩くのはおすすめしないリスト」「私が知る日本の調味料が売っている店リスト」まで送ってくれました。
これがヒモの人間の気分か!!!!!!!!!!!!!!!!!!
相当な見返りの要求があるか、もしくは埋め合わせか、接待業務じゃなければ日本じゃ絶対に考えられないことですよね。
先日、ルームメイトに借りた
岩波現代文庫「イスラーム世界観 移動文化を考える」著:片倉もとこ
の本にも少し書いてあったのですが
アラビアの遊牧民のあいだには、古い時代から、他人とのつきあいのルールが決まっていた。(中略)ディヤーファと呼ばれるもので、たとえ敵であったとしても、たとえもてる最後の一滴の水であったとしても、それを必要としている人には、おしまずあたえるべしというものである。
どんな人であっても、ともかくは、もてなすべきであるというこの古来からのアラビアの習慣は、「アラビア風の客のもてなし」としてよくしられ、めんめんといまにいたるまでに続いている。
とのことである。
この著者は遊牧民の調査をしている文化人類学者なのだけど、アラブのこういうおもてなしのおかげて今まで危険もなくやってこれたのだとか。また、世界史の勉強を高校でした人にはお馴染みの、隊商宿(キャラバンサライ)なんかもそのアラブ風の客のもてなしのひとつで、そのおかげでシルクロードやアラブ間の旅が発達したんだとかなんだとか。
いや~まさかね~どうせ本に書かれているだけのことだし~
なんて最近まで思っていたけど、本当に、会うアラブ人会うアラブ人みなこんな感じにとんでもなくもてなしてくれる。
これだけもてなされたらもう、なんだろう、嫌でもアラブのことを好きになってしまう
そういえばこのクウェート政府奨学金も、アラブ風のもてなしの一部だったのだ!
奥が深い、このアラブの一面を知られずして、テロや内戦やISのことばかり認識されているのはおかしい。
将来はどういう形であれかならずこの身をもってしてアラブの国に、クウェートにおかえしをしようと決めた今日でした。

【アラビア語今日の備忘録】

أيهما أصعب، تتكلمين اللغة الإنجليزية أم اللغة العربية الفصحى؟
英語とフスハー、どっちを話す方が難しいですか?
زهرة
زخرفة
花や木を模した抽象的な絵
ظبي و تخيري
どうぞ食べてください
شعر
شعيرية
(髪の毛みたいなもじゃもじゃのお菓子)